努力するキリギリス

夕刊フジ「ジェネレーションギャップ研究所」連載中。コラムニスト/プロデューサー吉見鉄也のブログです。

「太陽2068」:渋谷シアターコクーン

観劇日:2014年7月9日

 

何だろう

この解放感

飛べる感じ?

気持ち良い!

こんなにハッピーな舞台見るの、何年ぶりだろう

 

 

以上が見終わってすぐメモした言葉です

で、一夜明けて、改めて

基本的にハッピーエンドな舞台は嫌いです

舞台の上に、その時間内に、出演者の技で

無理やり「幸」を詰め込んで

最後に、さあ、どうぞ

という雰囲気が

ちょっと苦手で……

なので、バッドエンド、投げっぱなしエンド、不条理エンドの方が好きなのです

でも、本作品のハッピーエンドは

素晴らしかったです

ここまでフルスロットルなハッピーエンドに感動しました

笑顔、炸裂

前川知大の物語

綾野剛成宮寛貴の演技

そして蜷川幸雄の演出

すべてが、今までの2時間55分が

ラストシーンの1分に結実して

果てしなく広がる未来が

僕たちの目の前に突如として現れたのです

二人の立場の異なる青年

この先、仲良くやっていけるとは限りません

多分、不幸でみじめな結果に陥ることを

前川は冒頭で示唆しています

でも、良いのです

この瞬間の圧倒的な希望は

みんなを幸せにしてくれるのだから

 

このハッピーの裏には

前田敦子演じる少女がたどり着く

底なしの不幸があります

何が幸せで、何が不幸せなのか自覚できなくなった先に訪れる状況

不幸というよりは、恐怖かもしれない

恐怖を感じることが出来なければ

この世から恐怖は消える

でも、恐怖の反対側にある、安心ややすらぎといったものも

一緒に消えて、闇の中に溶けて行ってしまう……

 

前川知大の作品

見たかったけど、なかなか見に行けなくて

昨日は、時間が空いたから

当日券、あるかな~と思って、フラッとコクーンに行ったら

通路前の良席が偶然キャンセルで

ラッキー

イキウメ、これからは、しっかりと追います